走るための主動作筋などありません
生理学的に、筋肉は緊張によって短縮させることで関節を動かす。・・・ことになっている。
でも、筋肉をイメージさせるとスポーツ動作は悪くなるのだ。
筋力が弱ければ、ハイパフォーマンスを出せないだけでなく
バランス維持や精密な動作も不確実になるので
筋肉を鍛えることは必要だ。
しかし、動作指導をする時に筋肉をイメージさせるのはマイナスしかいない。
ある関節を目的方向に動かす時、メインに働く筋肉のことを「主動作筋」というが
- 走るための主動作筋はどこですか?
- ゴルフスイングの主動作筋はどこですか?
- 垂直跳びの主動作筋はどこですか?
それを特定することは出来ないのです。
筋肉単体を動かすことはできない
それから、「大腿四頭筋だけを動かしなさい」と言われても出来ません!
筋肉は単体で動かすことはできないのです。
意思で動かすことができる筋肉を「随意筋(ずいいきん)」と言いますが、
これは半分間違っています。
マッチョがよくやる大胸筋だけを動かすように見える胸のピクピク動作だって
大胸筋付近の筋肉も同時に動くからです。
つまり「随意動作はある」けれど、「随意筋はない」のです。
「この辺を意識した方がいいよ」
子どもは運動神経を作っている最中。
だから、器用に動かせないし、意識が動きにつながらないことも多くありますし、指示通りの動きができない子どもも多くいます。
まずは理想的なカタチ(姿勢)を作れるようにして、それをベースに動きを作る。そして、姿勢維持と動かし方を、そこから強化する手順を踏まなければなりません。
「神経が通っていない?」と思うほど、力を入れようにも入れられない場所もあります。
その時は、力を入れるべき部分(周辺)を触れて、「この辺に力を入れてごらん」と指示して姿勢をつくります。
通常は2〜3日でできるようになるので、力を入れる神経が通ったら、もう意識することはやめて動きづくりに専念しましょう!